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涙道疾患

涙道疾患について

涙道

涙はまぶたの中にある分泌腺でつくられ、眼表面を潤わせ、蒸発していきます。残りの涙はまばたきとともに排水管に送られていきます。この排水経路を涙道といいます。涙道は、目頭にある上下の涙点から涙小管、涙嚢、鼻涙管という鼻の中までの経路です。涙道閉塞とは涙の排出路(排水路)が詰まる病気です。
涙道が途中で狭くなって閉じてしまうと、涙でうるんだり、涙がこぼれたりします。涙が滞って感染を起こすと目脂も多くなります。

涙道閉塞について

先天鼻涙管閉塞

涙やメヤニが多い赤ちゃんに一番多い病気です。生まれてすぐの赤ちゃんのうち5人の1人程度が、涙道の出口が閉じてしまっています。1年以内に90%近くが自然に開いて通るようになります。症状が強い場合には、ブジーによる治療を行います。

大人の鼻涙管閉塞

大人でも涙やメヤニが続き、点眼治療をしているのに軽快しない場合、これが疑われます。軽症なら“涙管通水”といって生理食塩水で涙道を洗浄する処置を定期的に行うことで軽快することがあります。しかし、炎症が長く続いた為に、涙道粘膜の狭窄・癒着が生じている場合は、手術での治療を行っています。

治療について

涙道閉塞の多くは手術の適応になり、大きく分けて2種類の治療法があります。
もともとの涙道を再建する手術(ブジー、涙道内視鏡治療)と新しい涙道を作るバイパス手術(涙嚢鼻腔吻合術)です。

ブジー・涙道内視鏡手術

金属棒やφ0.9mmの細い内視鏡を涙点から挿入して、狭くなって閉じている涙道を開放していく手術です。単純に開けるだけではすぐにまた閉じてしまうため、涙道内にチューブを留置して終了します。チューブは2-3ヶ月留置したのちに抜去します。局所麻酔、日帰りで可能な手術です。なお、重症の場合には開放できないこともあります。また、チューブ抜去した後は時間とともに涙道はまた徐々に狭くなりますので再閉塞することがあります。
鼻の手術や顔の怪我をした後に涙道閉塞を生じた場合などは、別の手術法(涙嚢鼻腔吻合術など)が適応になります。

涙嚢鼻腔吻合術

涙嚢鼻腔吻合術は涙道内視鏡手術では治療できないもの、再発したものが適応となります。また、感染対策としては再建術よりも治癒率が高いため、涙嚢炎を起こすほどの重い病状に対しては良い治療法です。ただし、粘膜を切ったり、骨を削る必要があり、出血もしやすいので涙道内視鏡手術と比べて全身管理も大事な手術です。
当院では主に2~3日の入院手術を行っています。費用は術式、入院期間等によって異なります。詳しくはスタッフまでお問い合わせください。

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